蕎麦処 城山東家(釧路市)

釧路市中心部から久寿里橋を渡ってすぐの城山十字街近くに店を構える城山東家

 そば店の数の多さと独自のメニューの多さなどから「そばの街」と言われる釧路市で、「ぴょん」的3本の指に入るのが、「城山東家」です。白くて美しい更科で、寒さが厳しい冬でもそばは必ず冷たいのを食べる「ぴょん」にとっては、麺が冷たくしっかり締められているのも、高ポイント。王道のもりでそばそのものをしっかり味わうのはもちろん、数量限定の「季節のおすすめ」にもつい心惹かれてしまいます。

 城山東家のそばは、釧路の特徴であるクロレラ入りの緑色の麺ではなく、白い更科。麺は長めで、こしがあり、つるりとしたのどごしです。新そばの季節には少し緑がかった色になり、よりそばの香りを楽しむことができます。

季節のおすすめのかしわ天おろし

 今回は、「季節のおすすめ」の「かしわ天おろし」をオーダー。そばの上には、ごろんと大きなとり天が3つ。ちぎったのりと、たっぷりの大根おろしが添えられています。そばはツルツル、シコシコ。つゆは少し甘めで、「ぴょん」はもうちょっとキリッとしているのが好みかも。でも、おいしいですよ。

 揚げたてのとり天は驚くほどふっくらしていて、ほのかにしょうがの香りがします。最初、とり天の大きさに「多いかな」と思ったのは杞憂で、とり天、大根おろし、そば…と交互に口に運び、ペロッと完食。食べ終わるころに、そば湯と一緒に温かいそば茶を出してくれるのも、うれしいですね。

白くて細い麺のもり。奥に見えるのは、左からしいたけ天、ちくわ天、かしわ抜き

 メニューはもり、かけが800円、たぬきが1000円、えび天1本と野菜天1種の「冷やし天ぷら」1250円、えび天2本と野菜天3種の「天ざる」が2000円。「ぴょん」は、もりを頼むことが多いのですが、ちょっとさみしいなと思う時は、それに単品で「ちくわ天」(120円)や温泉玉子(同)をプラスしちゃいます。

 もちろん、釧路特有のメニューもそろいます。かみ応えのある親鳥を入れた温かいつゆで冷たい麺を味わう「鳥せいろ」(1050円)や麺にごま油を絡め、卵黄をのせた「無量寿」(1050円)、えび天やかしわ、卵などいろいろな具材をのせた「種込み」(1450円)、そばを抜いたお吸い物「かしわ抜き」(550円)や「親子抜き」(650円)など、ほかの地域では見かけないものも。

 実は、土日限定の15時半から提供される「蕎麦前セット」が気になっています。ビール(中瓶)1本か日本酒、焼酎を選び、そば味噌、板わさ、ハーフサイズのかしわ焼きか鴨焼き、天ぷら盛り合わせ(えび天1本と野菜2種)、ハーフそばが付いて、2600円。焼きのり(400円)や玉子焼き(600円)など、お酒のアテも充実していて、「そば屋呑み」を堪能できます。本当は「キュッと1杯ひっかけて、さっとそばを手繰って帰る」のが粋なのでしょうが、ここは日本酒のほか、海外産が中心ですが、ワインにもこだわっているので、ついつい長っ尻になりそうなのが心配です。

 釧路市が「そばの街」と言われる由縁ですが、市内のそば店は現在、50店以上で、人口規模が近い帯広市や苫小牧市の倍以上とされています。上記のような釧路特有のメニューも充実。2024年には、文化庁が地域に根付いた食文化を登録する「100年フード」に「釧路のそば」を認定しています。

 そんな「そばの街」にあって、きらりと光る王道の店。平日は昼のみ、土日は夕方までの営業ですが、昼時を過ぎても客足が途絶えることはまれです。清潔感のある店内と、テキパキとした店員さんたちの動きも気持ちのいいお店です。

店名/蕎麦処 城山東家
住所/釧路市城山1丁目5-8
電話番号/0154-41-5360
営業時間/平日11:00~15:30、土日11:00~18:00
定休日/火曜日。不定休あり
たばこ/禁煙
ぴょん

ぴょん

 食べること、飲むこと、楽しむこと大好き!海の幸、山の幸、それを生産してくれる人や料理をつくってくれる人たち、素敵な気持ちにさせてくれるお酒…。「味がいい」だけでなく、これがそろって「おいしい」が生まれます。私の「おいしい」を伝えられたら、幸せです。